中学校でも必修化!でも…プログラミング教育の現実は?

小学校だけでなく、中学校でもプログラミング教育は必修となっています。
2021年度から、技術・家庭科の中でプログラミングが本格的に導入されました。 中学校で目指されているのは、「簡単なプログラムを自分で作る力」です。 たとえば、 センサーやモーターを使った制御 簡単なアルゴリズム設計 などを学びます。
しかし、現場ではいくつかの課題が見えてきています。

1. 教員の専門性不足

文部科学省の調査によれば、 中学校技術科の先生のうち約60%が「プログラミングを教えることに不安がある」と回答しています。 これは、現在教えている先生たちの多くが、大学などでプログラミングを専門的に学んでいないためです。 たとえば中学校では、プログラミングの授業で以下のようなことを学びます:
センサーを使って「温度を測る」「光を感知する」などのデータを取得する
モーターを使って「LEDを光らせる」「車の模型を動かす」などの制御を行う
つまり、ただ画面の中でコードを書くのではなく、実際に装置や電子部品を使って「動かす」体験が求められるのですね。 ところが、実際に先生たちからは、 「センサーの使い方がわからない」「モーターがうまく動かない」「準備が大変すぎる」といった声も多く、 十分に実施できていないケースも見られます。

2. プログラミング授業の実施時間が少ない

中学校の技術科では、年間35時間程度の授業時間がありますが、 その中でプログラミングに充てられるのは、わずか5〜10時間程度と言われています。 つまり、週に1回どころか、学期に数回あるかないかのペースです。 そのため、 「形だけの授業になってしまう」 「理解を深める前に終わってしまう」 といった問題が発生しています。

3. 内容や深さの地域差

授業の内容や進め方は、学校によってかなり差があります。 たとえば、充実している学校では、 ScratchやMakeCode、micro:bitを使ったプログラミング 実際にモノを動かす「フィジカルコンピューティング」 などが行われています。 一方で、最低限の内容で終わってしまっている学校では、 Scratchで「猫を動かすだけ」など、基本操作だけで終了した理、 機材がなくて「動画を見るだけ」の授業になる というケースもあります。 このように、同じ「必修化」といっても、学校ごとに体験の質にはかなりのばらつきがあるのが現実です。

まとめ

中学校におけるプログラミング教育も、制度としてはスタートしていますが、 教員の専門性不足 授業時間の少なさ 地域・学校間の差 といった課題が多く残されています。 本当に力をつけたい場合は、学校の授業だけに頼らず、 自宅での学習やプログラミング教室の活用も視野に入れることが必要かもしれませんね。